診療案内|鶴瀬メンタルクリニック|富士見市鶴瀬駅の精神科・心療内科

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うつ病

うつ病は、気分が強く落ち込み、何をしても楽しく感じられない状態が続く病気です。単なる一時的な落ち込みとは異なり、脳の働きが一時的に不調をきたし、感情や思考、体のリズムを調整する仕組みがうまく働かなくなることで起こります。気分の落ち込みに加えて、眠れない、食欲がない、疲れやすい、集中できないなど、心と体の両面に症状が現れ、日常生活や仕事・学業に支障をきたすことがあります。うつ病は、誰にでも起こりうる病気です。責任感が強く、まじめに頑張る人ほど発症しやすいと言われますが、「心が弱いから」「怠けているから」なるものではありません。社会的にも身近な病気であり、早期に気づいて適切な治療を受けることが回復の第一歩になります。

パニック症(パニック障害)

突然、理由もなく強い不安や恐怖に襲われ、動悸(どうき)・息苦しさ・めまい・冷や汗などの身体症状が急に現れることがあります。これを「パニック発作」といいます。発作中は「このまま死んでしまうのでは」「気が狂ってしまうのでは」と感じるほどの強い恐怖を伴いますが、実際に命に関わることはありません。ただし、パニック発作があるからといって必ずしもパニック症とは限りません。発作が一度だけ起こる方もおり、甲状腺機能異常や低血糖、心臓疾患、過呼吸などの身体的な要因でも似た症状を起こすことがあります。医学的には、発作を何度も繰り返し、「また起こるのではないか」という予期不安が強まり、行動に支障が出るようになった状態を「パニック症(パニック障害)」と呼びます。発作を恐れて電車やエレベーター、人混みなどを避けるようになることもあり、これを広場恐怖といいます。日本では100人に1〜2人が経験する比較的よくある病気で、20〜40代の女性に多くみられます。
決して「性格が弱い」「気の持ちよう」などではなく、脳の働きとストレス反応のバランスが崩れることで生じる病気です。

産後うつ

出産は、新しい命を迎える喜びとともに、女性の心と体に大きな変化をもたらす出来事です。産後はホルモンバランスの急な変化、睡眠不足、育児や家庭環境のストレスなどが重なり、心の調子を崩しやすくなります。この時期に気分の落ち込みや涙もろさ、強い不安、意欲の低下などが続く場合、「産後うつ(産後うつ病)」の可能性があります。産後うつは、単なる疲れや気の持ちようではなく、治療が必要なうつ病の一種です。日本では出産後の女性の約7%前後にみられると報告されています(日本精神神経学会・日本産婦人科学会ガイドライン2021)。出産後2〜3日頃に一時的な情緒の揺れがみられる「マタニティブルーズ」は、産後の女性の7〜8割に起こりますが、通常は1〜2週間で自然に回復します。一方で、2週間以上気分の落ち込みが続いたり、育児がつらく感じる場合は、産後うつが疑われます。早めに専門家へ相談することが大切です。

適応反応症(適応障害)

「適応反応症(適応障害)」は、明確なストレス要因に対して心や体がうまく順応できず、不安や抑うつ、身体の不調などの症状が続く状態を指します。原因となる出来事は、転職や配置転換、昇進、引っ越し、入学・受験、家庭の変化、家族や友人との別れなど、日常で誰にでも起こり得るものです。ストレスに対する自然な反応であり、決して「心が弱い」「努力が足りない」といった性格の問題ではありません。多くの人は時間の経過とともに回復しますが、強いストレスが続いたり、ひとりで抱え込んでしまうと、気分の落ち込みや不安、不眠、身体の不調が長引き、仕事や学業、家庭生活に支障が出ることがあります。早めに適切な対応を行うことで、回復が早まり、再発を防ぐこともできます。

双極性障害(躁うつ病)

双極症は、気分の波が大きく揺れ動く病気で、「躁(そう)状態」と「うつ状態」が繰り返し起こるのが特徴です。躁状態では気分が高揚し、活動的になりすぎたり、眠らなくても平気で動き回ったりします。反対に、うつ状態では気分の落ち込みや意欲の低下が強くなり、仕事や家事、人間関係に影響が出ることがあります。双極症には、激しい躁状態を伴う「双極Ⅰ型」と、軽い躁状態(軽躁)とうつ状態を繰り返す「双極Ⅱ型」があります。特にⅡ型は「うつ病」と誤診されやすく、長年うつの治療を続けていて実は双極症だったという方も少なくありません。実際にはうつ状態の期間が長く、再発を繰り返すことが多いため、早期に正確な診断と治療を行うことが大切です。

強迫症(強迫性障害)

強迫症(強迫性障害)は、「頭では分かっていても、不安やこだわりを抑えられず、同じ行動を繰り返してしまう」病気です。例えば「手が汚れているのでは」と不安になって何度も手を洗う、「鍵をかけ忘れたのでは」と確認を繰り返す、といった行動が典型的です。本人も「やりすぎだ」と理解しているのに、やめられずに生活や仕事に支障が出てしまいます。この病気は性格や意志の問題ではありません。脳の前頭前野や大脳基底核の働き、神経伝達物質(特にセロトニン)のバランスの乱れが関与しており、心身両面からの治療が必要です。発症は思春期から青年期に多く、男女差はほとんどありません。放置すると慢性化・重症化しやすく、早期の受診と継続治療が重要です。

睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に関して何らかの問題が生じ、日中の活動や心身の健康に影響が出る状態を指します。「眠れない」「昼間に眠くて仕方がない」「夜中に暴れてしまう」「睡眠リズムがずれて戻せない」など、症状の現れ方はさまざまです。その中でも最も多く、精神科外来で最もよく相談を受けるのが不眠症です。日本では成人の約5人に1人が慢性的な不眠を経験しており、加齢やストレス、生活リズムの乱れなどが関係しています。眠りは単なる休息ではなく、脳と体を修復し、感情を整えるために欠かせないプロセスです。十分な睡眠がとれない状態が続くと、集中力や記憶力が低下するだけでなく、高血圧や糖尿病、うつ病などの発症リスクを高めることも分かっています。

統合失調症

統合失調症とは、幻覚(特に幻聴)や妄想、思考のまとまりにくさ、感情や意欲の低下などがみられる病気です。幻聴とは、実際には存在しない声が聞こえる体験で、「誰かが自分の悪口を言っている」「命令される」などの内容が多くみられます。妄想とは、事実とは異なる思い込みを強く信じ込み、周囲が否定しても確信が変わらない状態です。発症は10代後半から30代にかけて多く、生涯で約100人に1人(0.7%前後)がかかる比較的ありふれた病気です。遺伝的な要因が関与する一方で、家族に患者がいない人にも発症します。原因はまだ完全には解明されていませんが、脳の神経伝達物質(特にドパミンやグルタミン酸など)のバランスの乱れが関係しており、心理的ストレスや環境変化が引き金となることがあります。統合失調症の経過はさまざまで、幻聴や妄想が急に現れる「急性期」から、感情や意欲が低下する「慢性期」を経て、再発を防ぎながら安定を保つ「維持期」へと移行します。早期に治療を始めるほど、症状の回復や社会生活の再建が早いことが多く、早期発見・早期介入が何より大切です。

認知症

認知症は、記憶力・判断力・理解力・計画実行力(遂行機能)などの「認知機能」が低下し、仕事や家事、金銭・服薬管理、移動など日常生活に支障が出てくる状態の総称です。加齢とともに増えますが、原因は一つではありません。多くは進行性ですが、なかには治療で改善が期待できるタイプ(可逆性の認知機能低下)もあります。早く気づき、適切な検査と生活面の工夫、薬物・非薬物療法を組み合わせることで、進行を緩やかにし、生活の質(QOL)を保つことができます。なお、認知機能が低下しつつあるものの、日常生活に支障がない段階を軽度認知障害(MCI)といいます。将来認知症へ進むリスクが高く、定期的な評価と生活習慣の見直しが重要です。

ADHD

ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」「多動性」「衝動性」の特性によって、学業や仕事、生活の段取りに困りごとが生じやすい発達の特性です。子どもに限らず、大人になっても続くことがあります。ADHDは性格の問題や努力不足ではありません。脳の情報処理の偏りや神経伝達の働き方の違いが関与すると考えられており、環境やサポートの整え方で困りごとは大きく変わります。治療の目的は「特性をゼロにする」ことではなく、強みを活かしながら、困りごとを具体的な工夫で減らし、生活のしやすさを高めることです。

ASD

自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、生まれつきの脳の働き方の違いによって、対人関係やコミュニケーション、こだわりの強さなどに特性が現れる発達障害のひとつです。「スペクトラム」とは、特性の現れ方に幅があるという意味で、人によって困りごとの内容や程度が異なります。そのため、以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」などと分類されていましたが、現在はそれらを含めて「自閉スペクトラム症(ASD)」と呼ばれています。ASDは「病気」ではなく、「脳の特性」です。他の人とは少し異なる感じ方や考え方を持つために、社会生活の中でストレスを感じやすくなったり、周囲とのコミュニケーションで誤解を受けてしまうことがあります。日本では、幼児期からの早期支援が活発に行われる地域が増えており、支援を受けたことで、自閉スペクトラム症の特性がありながらも、充実した社会生活を送っている方がたくさんいます。一方、自閉スペクトラム症は、「特性から生じる問題」のほか、過剰なストレスや失敗体験が引き金となって「二次的な問題」が生じることも少なくありません。特性がごく弱い人でも、きちんと対応を受けないでいると、周囲の人との違いに悩んだり、誤解され孤立したりし、二次的な問題として身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チックなど)、精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)、不登校やひきこもり、暴言・暴力、自傷行為などに発展する可能性があります。

その他精神疾患

精神科で扱う病気は多岐にわたります。うつ病や統合失調症、双極症(躁うつ病)、パニック症や強迫症などの代表的な疾患以外にも、心や行動の不調として現れるさまざまな病気があります。ここでは、そうした「その他の精神疾患」について、主な特徴と治療の方向性を紹介します。どの病気にも共通していえるのは、「性格の問題」や「気の持ちよう」ではなく、脳や心の働きのバランスが一時的に崩れた状態であるということです。早めに専門医に相談することで、回復の道筋を立てることができます。

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