ADHD|鶴瀬メンタルクリニック|富士見市鶴瀬駅の精神科・心療内科

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ADHD

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ADHD(注意欠如・多動症)

ADHD

ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」「多動性」「衝動性」の特性によって、学業や仕事、生活の段取りに困りごとが生じやすい発達の特性です。子どもに限らず、大人になっても続くことがあります。ADHDは性格の問題や努力不足ではありません。脳の情報処理の偏りや神経伝達の働き方の違いが関与すると考えられており、環境やサポートの整え方で困りごとは大きく変わります。治療の目的は「特性をゼロにする」ことではなく、強みを活かしながら、困りごとを具体的な工夫で減らし、生活のしやすさを高めることです。

主な症状

不注意の特性

  • 仕事の手順や締め切り管理が苦手(タスクが頭の中で渋滞しやすい)
  • ケアレスミスや物の紛失が多い、必要な物を準備し忘れる
  • 興味の薄い作業で集中が続かない/優先順位づけが難しい
  • メールや指示の読み落とし、ダブルブッキング、先延ばし

多動・衝動の特性

  • 落ち着いて座っていられない、体を動かしていたい感覚
  • 思いついたことをすぐ口にする・行動してしまう
  • 順番を待つことや駆け引きが苦手で、対人場面で誤解されやすい
  • 感情の波が目立ち、後で後悔する行動につながることがある

これらは場面や環境で強さが変わります。興味のある活動では集中が続く一方、複雑な事務処理や片づけは困難になりがちです。得意・不得意の差が大きいことも特徴です。うつ・不安・不眠、アルコールやネット使用の問題などが二次的に重なることもあります。

原因

ADHDの発現には遺伝的要因や神経発達の個体差が関与すると考えられています。ただし「誰にでも起こり得る生まれつきの特性の幅」の中にあり、育て方や本人の性格が原因ではありません。周囲の理解や環境の整え方によって、困りごとの表れ方は大きく変化します。

診断

診断は短時間では決めません。丁寧な問診で、幼少期から現在までの生活・学業・仕事での特性や困りごと、強み、二次障害の有無を整理します。必要に応じて質問紙や心理検査(注意機能・実行機能の評価など)を用いますが、検査だけで決まるものではありません。最も大切なのは「日常でどのような支障が起きているか」を具体的に把握することです。似た症状を示す他の疾患(うつ病・不安症・睡眠障害・甲状腺機能異常など)や薬物・物質の影響も確認します。

治療

  1. 心理社会的アプローチ(基本)

    環境調整
    作業を小さく分ける、ToDoを見える化、締め切りを前倒しで設定、通知やタイマーの活用、物の“定位置”を決める、郵便・レシート等の紙類のルール化。
    スキル訓練
    時間管理・優先順位づけ・タスク開始のコツ、感情コントロールのスキル練習。認知行動療法(CBT)やコーチングの考え方を応用します。
    職場・学校との連携
    席や業務の配置、会議資料の事前共有、口頭指示をメモで補うなど、小さな調整が大きな効果につながります。
  2. 薬物療法(必要に応じて)

    注意の持続や衝動の抑制を助け、環境調整の効果を引き出します。開始・増減は少量から慎重に行い、眠気・食欲・血圧脈拍などの副作用を確認します。刺激薬が適切と判断される場合は、専門機関と連携して対応を検討します。

※当院では現在、コンサータ®(メチルフェニデート徐放)およびビバンセ®(リスデキサンフェタミン)の処方は取り扱っておりません。非刺激薬を基本とし、必要に応じて地域の専門機関と連携いたします。

当院での対応/早期受診のすすめ

初診では、現在の困りごと(仕事のミス、先延ばし、片づけ、対人トラブル、睡眠リズムなど)を具体的に伺い、二次障害の評価も同時に行います。治療は「環境調整」と「スキル練習」を土台に、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。学校や職場への情報提供書が役立つ場合には、状況に応じて作成を検討します。「診断名をつける」こと自体が目的ではありません。自分の特性を理解し、得意を伸ばし、苦手は仕組みで補う――そのための設計図を一緒につくることが大切です。困りごとが続く場合、早めの相談が負担を減らします。

ご家族へのメッセージ

ADHDは“怠け”ではありません。声かけは「短く・具体的に・一度に一つ」を意識し、できた点をフィードバックすることが継続の力になります。約束やルールは“見える化”し、責めるより“仕組みを変える”ことを一緒に考えていただけると、治療の効果が高まります。

ADHDは、生まれつきの特性の幅の一つで、環境やスキルの整え方で生活のしやすさが大きく変わります。当院では、丁寧な聞き取りと実生活に沿った工夫を重視し、必要に応じて薬物療法や地域資源との連携を行います。困りごとを一人で抱え込まず、まずはご相談ください。あなたに合った「やり方」を一緒に見つけていきましょう。

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